曲を作り終えて聴いてみたら、作る前にイメージしていたものとなんか違う、いまいち噛み合っていない気がする、みたいな経験はないでしょうか。
これは作りたいものをアウトプットしていく際に、方向性を見失ったり、何をすればいいのか分からなくなってしまうことが、要因として考えられます。
今回は実際にアウトプットした際にイメージしたものと離れないためにはどうすればいいか、何を心がければいいのか、コツを解説してみたいと思います。
DTMをしていて迷走することが多い方は、読んでみて下さい。
イメージを曲の要素に落とし込む
イメージを明確にするというのは、具体的に言うと曲の要素に落とし込んでいくことです。
初めの段階でぼんやりとしたまま作り始めてしまうと、曲が完成した際にイメージから離れたものができてしまいます。
イメージを曲の要素に落とし込む際に必要なポイントは以下の2つです。
・コードとメロディを考える
アウトプットした際にイメージと乖離しないためには、土台をしっかりと固めることが大事なので、それぞれ解説していきます。
曲の構成を決める
まず、作りたいものが決まったらAメロやBメロなど曲の構成を決めましょう。
例えば、JPOPなど日本の歌ものだと上記のような構成が鉄板ですね。イントロの代わりにサビから始まったりと一部変形となっているパターンも多いです。
どういう風に曲を展開させていくのかによって楽曲全体の雰囲気を左右するので、非常に重要となります。
ちなみに曲の展開の名称は海外だと以下のような感じで呼ばれます。どちらかというとこっちの方が一般的です。
・Aメロ→Verse
・Bメロ→Bridge
・サビ→Chorus
・間奏→Interlude
・アウトロ →Ending
必ずしもここで決めた構成を途中で変えてはいけないということはありませんが、後からあれもこれもと付け加えていくと方向を見失う原因になってしまいますので、構成を変える際には最初のイメージから離れないか、本当に必要かどうかなど吟味してから変更を加えるようにしましょう。
曲の構成を決めたら、それぞれのセクションでどういう風に曲(物語)が進んでいくのかイメージを練って下さい。箇条書きとかでもいいので文章化しておくと、自分の中でイメージがあやふやになっている箇所が分かります。
これは後で歌詞を書いていく際に、段々当初の構想からずれていくことの防止にもなるので、歌ものを作る際には必ずやっておいた方がいいです。
インストの場合歌詞はありませんが、どのタイミングでどういうアプローチをするかなどは、やはりこの段階で考えておくと後々楽になります。
使う楽器や音色などもある程度想定しておくと、後から迷走することも少なくなるので、余裕があれば決めておくとよりGoodです。
コードとメロディを考える
曲の構成が決まったらコードとメロディを考えていきましょう。
僕は曲を作る際はメロディから作って後からコードを考えますが、イメージを形にすると考えると基本的にコード先の方が難易度は低いと考えています。なので今回はコード先を想定して解説します。
コード先で作った際の懸念としては、コードにメロディが引っ張られてしまうことですが今回は触れません。
色んな曲を聴いてコードを分析したり、コード進行の雰囲気を自分の中でしっかりと把握しておきましょう。
例えばKey=CでF-G-Amという進行はドラマティックかつ突き進むような感じだけど、F-Em-Amなどにすると怠惰感のような雰囲気が強くなる、など。
上記の例は僕の場合で、感じ方は人によって違います。狙う雰囲気に合うものを構成の段階で決めたイメージに沿って選んでいきましょう。
コードは後から編曲に合わせて変更が必要になる場合も少なくないので、テンションや転回などはそこまでガチガチに固めなくてもいいです。僕の場合はこの段階だとメジャーかマイナーかどうか、三和音か四和音かどうか程度の大雑把さで当てはめていきます。
Cubaseユーザーの方はコードトラックがあるので、そちらで管理しておくと曲を作りながらでも視覚的にも把握しやすいですよ。
メロディは納得できるまで何回でも作り直しましょう。このフレーズはとっておきの作品の時に…みたいな出し惜しみも必要ありません。
自分がその時出せる一番いいものを使って下さい。歌ものだと音域を考慮して実際に歌えるかどうかを考えることも大事です。
音楽理論全く知らない!感覚でメロディを作ってるよ!って人は以下のような本を1冊読んでみると結構出来ること増えたりします。
藤巻浩先生の本は解説が丁寧だし内容も上手くまとまられてるから、DTM初心者から上級者まで広くオススメ。個人的マストバイ。
メロディに合う歌詞を書く
曲の構成を決める段階でセクションごとにイメージを文章化すると上の方で書きました。
これを元に歌詞を書いていきましょう。極力この段階で決めたイメージから離れないように意識すると、曲全体で歌詞の一貫性を保つことができます。
メロディが文字数と合わなかったりうまい言葉が出てこなかったりすると思いますが、一朝一夕でどうにかなるものでもないので、 ここは諦めてトライアンドエラーで慣れていきましょう。
僕はやったことがないですが、上手な人の文章をそっくりそのまま書き写したりすると練習になったりするらしいです。小説とかでもこの練習法はよく聞きますね。
あとは無難に作詞の解説本とか文章力、語彙力に関する本とか読むのも地力アップになると思います。こっちは僕もやってます。
コードを歌詞に合わせてブラッシュアップする
歌詞が完成したら、歌詞の中でもキメというか自分の中で推したいフレーズとかが出てくると思います。
そういった箇所を中心にコード進行をブラッシュアップしていきましょう。最初の方で考えたコードを部分的に変えたり、テンションなどより細かく決めていく感じです。
例えば、悲しい歌詞だとしたら、より悲しい雰囲気のコードや進行に変えてみるなど。
ノンダイアトニックコードを混ぜたりして、目立たせたいところとそうでないところのメリハリをつけることを意識しましょう。
ロングトーンのような歌詞が詰まっていない箇所だと、歌詞1文字ごとにコードを変化させたりするのもリズム感が出やすくなるので、印象づけるには効果的です。
まあこの辺は完全に編曲との兼ね合いにもなってくるので、歌詞とコードをすり合わせるつもりで色々試してみましょう。特に変える必要がないと感じたらそのままでも大丈夫です。必ずしも複雑なことやったり、派手にすればいい結果になるとは限らないので注意。
まとめ
ここまでイメージ通りの曲を作るコツについて解説してきました。
ポイントをまとめると下記のような感じです。
・展開ごとにどのように曲(物語)が進んでいくのか、イメージを練って文章化する
・コード進行の特徴や雰囲気を自分なりに把握し、狙いに対して適切に選択できるようにする
・文章化した構成を元に極力ずれないように歌詞を書く
・メリハリがつくように歌詞に合わせてコードをブラッシュアップする
DTMに慣れてる人は無意識的にやってる人も多いかもしれませんが、初心者から中級者の方でどうにも作りたい作品からずれていってしまうことがある方は参考にしてみて下さい。
意識して取り組んでいると、段々慣れてきて作品とイメージのズレを減らしていくことが出来ると思います。
もっと短くなると思ったのに書いてたら長くなってしまった…。