「VST Transit」は共同制作におけるDAWの垣根に終止符を打つか




DTMでの合作って全員が同じDAWを使えばプロジェクト共有できるし、いちいちMIDIとかオーディオを書き出さなくても済むと思うんですよね。

実際は皆DAWなんてバラバラだから、作業を確認するには都度書き出してファイルのやり取りをやらなきゃいけないんだけど。

そして「VST Transit」はそんな問題に対する一つの答えかもしれないって話について書きます。

VST Transitとは

そもそも「VST Transit」って知らない人のほうが多いと思うのでそこから説明したいと思います。

簡単に言うと「VST Transit」はSteinbergが開発したクラウドコラボレーションシステムです。

元は「Cubase 8.5」にて追加された機能で、オーディオトラックとMIDIトラックをクラウドストレージで共有することにより、複数のユーザーで同じプロジェクトの作業を可能にするものでした。

似たような機能で、Cubaseには「VST Connect」というものがありますが、こちらはインターネット回線を利用してレコーディングをリアルタイムに行うツールです。それに対して「VST Transit」では、レコーディング以外にMIDIの編集やミックスを、それぞれのユーザーが行えます。

プロジェクトの作成者は全てのトラックにアクセスできる権限を持っていますが、参加者はトラックのバックアップを残した上で作業する仕組みになっています。なので、お互いの作業が混同し破綻してしまうといった心配もありません。オフラインでの作業も可能で、クラウドのプロジェクトは任意のタイミングで動悸することができます。

DAWが違くても共同制作はシームレスに

そしてSteinbergがこの度「VST Transit Go」と「VST Transit Join」という新しいプラグインとアプリをリリースしました。これまでの「VST Transit」はCubaseユーザーのみが利用できる機能でしたが、今回リリースされたプラグインとアプリは他のDAWやiPadとも共同作業を可能にするものです。

「VST Transit Go」はモバイル用のアプリで、無料で利用することができます。デフォルトではレコーディングのツールとして、プロジェクトでオーディオトラックの録音が可能。必要に応じてアプリ内購入により機能を追加することができます。

「VST Transit Join」も同様の機能ですが、こちらはクロスプラットフォームのプラグインでVST3 / AU / AAXに対応しており、Cubase以外のDAWでも起動することができます。

また、「VST Transit Go」と「VST Transit Join」どちらにおいても、共同で作業するコラボレーター達のコミュニティを自由に使うことができます。

「VST Transit Premium」

「VST Transit」は750MBのストレージと毎月1.5GBの通信量までは無料で利用することが可能です。これ以上のストレージ容量と通信量が必要な場合、「VST Transit Premium」に加入することによって、1ヶ月に7.5GBのストレージと毎月30GBの通信量まで利用することができます。

「VST Transit Premium」は3ヶ月と12ヶ月のプランが用意されており、月の通信量が上限に達した場合、追加で通信量を購入することが可能です。

まとめ

「VST Transit Go」と「VST Transit Join」はまだ日本ではサポートされていないのですが、本家SteinbergのウェブサイトとApp Storeからダウンロードできます。

「VST Transit Join」の方はまだベータ版ですが、複数人が一つのプロジェクトにDAWが違う環境でもアクセスできるって画期的だと思うし、こういうシステムはどんどん進化していって欲しいです。

日本ではあんまり流行る気がしないんですが、オンラインで協力者が集って何かを作るみたいなのもすごく面白そうだと思うんですよね。

以下のリンクから本家Steinbergのウェブサイトに飛べます。

VST Transit